「先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)とは」
赤ちゃんの足の付け根の関節(股関節)がはずれる病気です。
現代では、1000人に2、3人の割合でかかる病気と言われています。
男の子よりも、圧倒的に女の子に多い病気です。
生まれつき脚が脱臼している子もいます。
一方で生まれた後の脚のあつかいが悪かったため、後天的に脱臼してしまう場合もあります。
ここ近年、生まれた後に脱臼するパターンが多いことから「先天性股関節脱臼」から「発育性股関節形成不全」と呼ばれる動きが出てきました。
赤ちゃんに以下の症状がみられる場合、3~4ヶ月健診で医師に相談するか、整形外科(できれば小児整形外科)を受診しましょう。
1.向き癖がある
2.女の子
3.家族に股関節の悪い人がいる
4.逆子(骨盤位)で生まれた
5.寒い地域や時期(11~3月)に生まれた(脚を伸ばした状態で衣服でくるんでしまうため)【日本小児整形外科学会のパンフレットより】
向き癖に関しては、小児整形外科学会のパンフレットには、以下の説明があります。
「向いている側の反対の脚がしばしば立て膝状態となってしまい、これが股関節脱臼を誘発することがあります」
生まれつき脚が脱臼している場合も、脱臼側の脚が立て膝になってしまい、片方にひどい向き癖がでます。
(向き癖がひどすぎて、頭の片方が扁平になっている場合もあります)
先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)の種類
発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)には、以下の3種類があります。
1.完全脱臼
2.亜脱臼
3.臼蓋形成不全
完全脱臼は、股関節がずれてしまったり、関節から大腿骨頭が外れてしまう状態です。
亜脱臼は大腿骨頭が外れかかっているなど、股関節が不安定な状態。
臼蓋形成不全は、大腿骨の屋根(臼蓋)が、順調に育っていない状態です。
屋根がきちんとできていないため、大腿骨頭がしっかりと股関節内におさまらず、脱臼しやすくなってしまいます。
また、股関節脱臼で大腿骨頭が外側に逃げているために、臼蓋にぶつかり、臼蓋の形成をじゃましてしまうこともあります。